小さな世界
学校とは小さな世界だ。
狂った小さな世界。
この小さな世界は狂っていた。
だけど小さな世界に住む人々は狂っていることに気づいていなかった。
狂っていることこそが普通なんだと。
誰もがそう信じていた。
この世界には犯罪者はいない。
この世界には犯人はいない。
だけど世界は混沌としている。
強姦。虐め。暴力。
日常的に行われているそれらをこの小さな世界に住む人々は普通のことだと信じている。
この世界には犯人はいない。
この世界には犯罪者はいない。
そして全員が犯人で犯罪者だった。
だけど小さな世界に住む人々は信じていた。
僕は犯人じゃない。
僕らは犯罪者じゃない。
これが普通なんだからと。
そして彼らは小さな世界を飛び立った。
大きな、大きな世界へと。
そして彼らは知った。
自分の罪を。自分の罪状を。
僕は犯人だった。
僕らは犯罪者だった。
罪悪感をひっそりと胸に秘めて生きていく。